運用基盤を見直して、サーバー代を19分の1にした話

自社サービスの構成を見直し、運用基盤を移した記録

吉田 涼(株式会社ウルフアプリケーション) 2026年9月14日

自社のプリントオンデマンド基盤であるPLAYTIOを、別の運用環境へ移しました。声を波形にしてアクリルキーホルダーなどを作るWAVES, MADEの、ログインや注文、画像管理を支えているシステムです。

9月4日にCodex上のGPT-5.6 Solと書き換えを始め、数時間でアプリの大部分とテストができあがりました。そこから管理画面などを補い、既存のデータや接続先を一つずつ確かめて、9月10日に本番を切り替えました。

構成を変える

構成を変えようと思った理由

移行前は、アプリとデータベースをクラウド上で動かしていました。注文がない時間も、サーバーやデータベース、ロードバランサーの料金はかかるので、今のサービス規模なら、毎月の費用をもう少し減らせないかと請求が来るたびに思っていました。

そこで、円安の影響を受けにくいものにするか、別のサーバーを借りるか悩んでいたところ、候補となるサービスが調子良しという話を聞き、なんかできそうだということで移行に踏み切りました。この時の僕の中でそのサービスは、配信やアクセスを保護する機能を提供しているくらいのイメージでした。なので、最初にやったのは、今は何ができるのかを調べることでした。

移行先の基盤でできること

一番ビックリしたのは、今ってwebアプリやAPIまで動かせるのですよね。データベースや画像・ファイルの保存に加え、webページの配信やメールの送受信まで、必要な機能がそろっていました。

従来に近い形でアプリをそのまま動かす選択肢もあり、検討時の試算では約34ドル/月。

これでも十分やすくなるのですが、今回は究極の低額運用を目指したかったので、利用量に応じて動く、さらに固定費の小さい形へ書き換えることにしました。

BEFORE 常時稼働を前提にした構成 アプリ実行 / 配信 / データベース
構築物・画像の保存 / 監視 / メール
→
AFTER 規模に合わせた構成 アプリ実行 / データベース / 画像保存
公開ページの配信
+ 既存のメール送信

移行先に合う技術を選んで、PLAYTIOのアプリを書き換え、APIと管理画面、公開ページを配信できる構成にしました。

既存のメール送信は設定が済んでいてメールも届いていたので、今回はそのまま残しました。

アプリを書き換える

数時間で一気にやったのですが、AI慣れしているみなさんにとっては難しいことではありません。「運用基盤を移行したいので、アプリを書き換えて必要な構成を整えておいて」こういう指示で良いですよね。

前回の記事でも書きましたが、時間のかかる実装は、夜間、つまり寝ている間に進めることが僕はよくあります。

日中は判断や人と会う時間に使いたいので、寝るまでに必要な準備を済ませておいて、寝る時にプロンプト送信。当時つかっていたGPT-5.6 Solは長回しに向いていて、途中途中で確認しつつ慎重に進めるタイプだったので、今回のようにフレームワークごと移植する作業とは抜群の相性の良さでした。(現在はGPT-6 Astraを使ってます)

朝起きたら、数時間の作業がどういう感じに進んでいるか、うむうむと、目検で動作確認して、そのあと頭の中でインフラと移行スケジュールをたてつつ朝食をとりました。

データベース

既存のデータを新しい環境へ移す

DB、ここが僕にとって鬼門でして、AIは当たり前のように新しいデータベースがイイっすよと朝起きた状態で実装済みだったのですが、僕が普段使っているものではない、なにものかわからないものにDBを任せて良いのだろうか、と。

ちょっと調べてみると、これまでと同じように表や関係を扱えるデータベースで、ローカルでも使えるので開発でも困らない。移すにはテーブルを用意してデータを変換すればOKそう。

もともとの仕組みは、スマホアプリに内蔵されていてそっち系のものだと思っていたので、webサービスとして本当にまともに動くんかいと最初は思っていたのですが、実際にローカルで実装済みのものでも動いていたので、行けるだろう、と。

既存のデータベースへの抽出用の接続を読み取り専用にし、抽出、移行先の形式への変換、取り込み、これで完了です。ステージングで確認できたらスクリプト発動するだけで本番も移行できたので、AIがデータの内容を見ずに移行できたのは大きかったです。

EXPORT 既存のデータベース 読み取り専用で
必要なデータを抽出
→
IMPORT 移行先のデータベース データを変換して
移行先へ取り込む

既存の保存先にあった画像本体も新しい保存先へ移し、これで移行準備完了です。

段階移行

段階的に本番へ切り替える

まずはステージングで、注文や画像を開くところから。メールが届くか、決済画面へ進めるかも試し、その後、本番でも同じように進めました。デプロイはgithub連携で。いやあ、新しい基盤すごい、うごくうごく。

そして最後にDNSの切り替え、旧環境から新環境へ。

料金

月々のサーバー代

2026年8月のサーバー料金は約95ドルでした。日本リージョンのクラウドで常時稼働する構成にすると、このくらいかかってしまうのですよね。移行後は、基本料金が月5ドルのプランで今のところいけそうです。

約95ドル/月 → 約5ドル/月
移行後は初回請求前の概算。税・追加利用料・メール送信料は別途とのこと。

ドル円の変動があってもさすがに5ドルなら、、!

参考:アプリの実行基盤、データベース、ファイル保存、その他の候補となる実行基盤の料金表。

移行を終えて

今の規模に合う構成へ

移行後は、毎月の固定費を抑えられるうえ、サーバー周りの構成や更新を考える必要もなくなりました。今のPLAYTIOの規模で続けやすい形になった、良い経験となりました。現在は月5ドルで運用しています。

ここまでお読みいただきありがとうございます。AIと一緒に進めて、サービスの書き換えから本番切替まで1週間。サーバー代を安くしたい方は、ウルフアプリケーションへご相談ください。